食品
投稿日:2024.01.09
更新日:2025.12.09

食品工場コンサルティングは、食品の安全性や品質を確保しつつ、効率的な生産体制を実現するために欠かせない専門サービスです。一般的な製造施設とは異なり、食品工場では高い衛生基準と品質管理が求められるため、専門知識と豊富な実績を持つ食品工場コンサルタントの支援が重要になります。
食品工場コンサルタントは、HACCP対応や衛生区分の設計、作業動線・温湿度管理、補助金活用など、食品工場ならではの課題を総合的にサポートいたします。
本記事では、食品工場コンサルティングの重要性と役割を解説するとともに、FACTASが行うコンサルティングの流れを具体的に紹介します。
Contents
食品工場コンサルティングとは、工場の衛生や安全、効率化はもちろん、食品工場を運営するうえでの経営課題の解決や、製造現場の改善や、市場変化に伴う認証などの対応を支援するサービスまで、支援内容は多岐にわたりコンサルティング会社によって支援項目は異なります。それぞれの課題に合わせて依頼先を見極める必要があります。
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食品工場コンサルタントは食品安全・衛生管理・HACCP対応など、一般的な製造業コンサルタントとは異なり、食品業界特有の厳格な要件に対応できる専門知識を持っています。これにより、企業は食品工場運営上の課題を効率的に解決し、品質や安全性を確保することが可能です。
ここでは、食品工場コンサルタントを選ぶ際に確認しておきたいポイントを紹介します。
食品衛生法やHACCP、GMPなどの制度に精通しているかを確認しましょう。
異物混入防止やゾーニング設計、温度・湿度管理など、現場に即した具体的な衛生管理の提案ができるコンサルタントであれば、リスク低減と品質向上を両立できます。
これまでにどのような食品工場を支援してきたか、実績を確認することも大切です。
惣菜、冷凍食品、飲料など、取り扱う製品や工程によって課題は異なります。業種ごとの対応経験があるコンサルタントは、現場に即した改善策を提示できます。
衛生・品質の向上に加え、省人化や自動化、DXなど最新技術を取り入れた改善提案ができるかも重要です。
単なる理論にとどまらず、設備導入や動線改善など、実務に基づいた現場最適化の視点を持つコンサルタントを選びましょう。
現場の課題を正確に把握し、担当者と協働して改善を進める姿勢があるかを確認します。
一方的な指導ではなく、ヒアリングや報告を丁寧に行い、現場との信頼関係を築けるかどうかが、実効性の高い改善につながります。
提案や設計の段階だけでなく、稼働後のフォローや衛生監査対応など、長期的にサポートしてくれる体制があるかも見極めましょう。
運用フェーズまで一貫して伴走してもらえるコンサルタントであれば、品質維持やトラブル防止にもつながります。
FACTASなら食品工場コンサルティングから建設まで一貫対応。
食品工場の建設や改修では、食品を取り扱う施設ならではの課題が存在します。ここでは、食品工場の建設・改修プロジェクトが立ち上がった時、考えなければならない代表的な課題をご紹介します。
ここでは、食品工場コンサルティングの主な役割を解説します。
| 役割 | 支援内容 | 期待できる効果 |
|---|---|---|
| ① 業界動向を踏まえたアドバイス | HACCP対応・生産性向上・衛生確保など、業界トレンドを踏まえて工場設計を最適化 | 将来を見据えた安全で効率的な生産環境を実現 |
| ② 課題・原因の抽出 | 現場調査やヒアリングで、作業動線・人員配置・衛生環境などの課題を特定 | 問題の「根本原因」を明確化し、再発を防止 |
| ③ 起案〜引き渡しまでのトータルサポート | 計画立案、費用算出、スケジュール管理、施工調整などを一括支援 | 工場建設の不安を軽減し、経営判断をスムーズに |
| ④ コスト負担の削減 | 補助金制度の選定・申請支援により建設・改修費用を軽減 | 投資コストを抑えつつ高品質な工場建設が可能 |
【FACTASの食品工場コンサルティング】についてはこちらで詳しくご覧いただけます。
食品工場の建設・改修時には、生産性の向上などクリアすべきポイントはさまざまですが、最も重視しなければならないことが工場の安全、衛生の確保です。食品工場は、人が口にする食品を取り扱う施設である以上、この部分をおろそかにすることは絶対にできません。特に、現在はHACCPによる衛生管理が義務化されていることもあり、食品工場の建設・改修はHACCPに則って行う必要があります。
食品工場コンサルティングは、工場の効率化などによる生産性向上はもちろん、衛生面や安全性についても、現状や今後を見据えた設備・システムの導入をアドバイスすることができます。したがって、食品工場の新築を検討しているけれど「何から手をつければ良いのか分からない…」という企業様にとっては、新たに建設する工場の目指す方針を明確にすることができます。
食品工場の新築や改修は、施設の老朽化以外にも「生産性をあげたい」「HACCPに対応しなければならない」「採用に苦戦している」など、現在抱えている課題を解消することが目的の場合が多いです。しかし、課題を解決するためにはその原因をはっきりさせなければいけません。
食品工場コンサルティングは、食品工場が現在抱えている課題について、専門家の視点からその課題と原因をチェックし、詳細まで分析します。そして、今後の事業計画に合わせて適切な解決策を提案することも重要な役割の一つです。更に、第三者による視点から工場をチェックしてもらうことで、自分たちだけでは見えてこなかった新たな課題を抽出することもでき、さらなる業務改善や飛躍を目指すことも可能です。
食品工場の建設は、一般的な工場建設と異なり、生産性の向上と衛生面・安全面の確保を両立させなければいけません。これから建設する食品工場は、HACCPに対応しなければならないのは当然として、これに並行する形で生産性の向上などを目指さなければいけません。そのため、食品工場の建設では、新たな工場の要件整理がまとまったとしても、建設にかかる費用やプロジェクトスケジュールが算出・調整できないという悩みを抱える担当者様が多いです。工場の建設費用やスケジュールが不明瞭だと、中期経営計画が組めない、社長の承認を得られないなどの問題が生じ、工場建設計画がストップする可能性があります。
食品工場コンサルティングは、企業の特性や製造する製品の内容、規模に合わせた食品工場の計画を立案し、概算費用の算出やプロジェクトスケジュールの調整も行います。そのため、食品工場の建設プロジェクトに並行し、食品企業様は本業に専念することができるなど、非常に心強い存在になるはずです。さまざまな条件をクリアしなければならない食品工場の建設ですが、専門家が適切な工場の起案から竣工引き渡しまでをトータルでサポートしてくれます。
食品工場の建設・改修には多額のコストがかかりますが、国や自治体などが行っている補助金制度を上手に活用することで、その費用を軽減することが可能です。
しかし、食品事業者が活用できる補助金制度は数多く用意されており、どの制度が今回のプロジェクトに最適なのか分からず、上手に活用することができない事業者が多いことも事実です。さらに、適切な補助金制度の情報を得たとしても、申請手続きが非常に複雑で何を用意すれば良いのか分かりにくく、補助金申請の準備のためにプロジェクト自体が遅延してしまうケースも多いです。
食品工場コンサルティングは、食品工場の建設・改修工事の専門家がサポートにつき、建設・改修プロジェクトに合った補助金制度の選定、申請手続きの代行などを行うことも可能です。その結果、工場の建設や改修にかかる費用を削減できる可能性があります。
建設や改修を計画どおりに進めながら、衛生・法令・生産性といった複数の要件を同時に満たすためには、専門的な支援が欠かせません。
食品工場の建設・改修では、一般的な製造施設にはない複雑な要素が多く、初期段階での要件整理や食品衛生法・HACCPへの対応、生産効率の最適化など、幅広い視点から検討を行う必要があります。これらを自社だけで適切に進めるのは難しく、食品工場に関する知見を持つコンサルタントの支援が重要になります。
それでは、実際に食品工場の建設・改修において、どのような場面でコンサルティングが必要となるのか紹介します。

上の図は、食品工場建設における「起案~竣工引き渡し」までの流れを大まかに表したスケジュールです。そして、食品工場の建設プロジェクトを成功に導くために非常に重要なフェーズが、赤枠で囲んだ「要件整理」のフェーズです。このフェーズでは、食品工場建設の目的や意思を明文化・具現化することが求められます。逆に言えば、この期間で「何を」「どのように」実現したいのかが明確にならないプロジェクトは、スムーズに進むことはありません。
例えば、
といった問題が生じやすくなります。
こうしたリスクを未然に防ぐためには、初期段階から食品工場コンサルタントによるコンサルティングを導入することが、最も効果的で確実な解決策となります。
三和建設はゼネコンでありながら、長年食品工場関係のお客様に恵まれ、数多くの食品工場建設をてがけてきました。より食品工場・食品関連施設のお客様のニーズを満たすために、食品工場コンサルティングにも取り組んでいます。
FACTASの食品工場コンサルティングは、「要件整理」の段階で事業計画に基づいた工場を計画するための条件を整理し、食品工場建設の目的・希望を明確にし、食品企業様のプロジェクトを成功に導きます。また、要件整理の段階で、工場建設にかかる概算費用の算出やプロジェクトスケジュールの調整も行いますので、食品企業様は本業に専念できる点も大きなメリットです。詳しく紹介します。
FACTASでは、まず「要件整理」の段階で、事業計画や生産体制に基づいた最適な工場像を明確にします。
工場建設の目的・希望を整理し、ゾーニング・動線・衛生区分などを考慮した計画を立案します。あわせて概算費用やスケジュールも提示するため、初期段階から実現可能な計画づくりが可能です。
この段階からFACTASが入ることで、食品企業様は自社の生産や販売など“本業”に専念できます。
FACTASを運営する三和建設は、食品工場に特化した設計・施工を数多く手掛けてきたゼネコンです。「下請けに任せない一貫体制」により、計画から設計・施工・保守までを責任をもって対応いたします。
設計と施工の連携を密にすることで、工期短縮と品質向上、そしてトラブル発生時の迅速な対応を実現します。
食品工場で発生しやすい課題(結露・温湿度管理・動線衛生区分など)に対して、過去の改善事例をもとに検証・標準化を行ったのが「FACTAS-TEC」です。
技術とノウハウを体系的にまとめることで、常に安定した品質と効率的な改善提案を提供します。
昭和22年の設立以来、三和建設は70年以上にわたり食品関連施設を多数手掛けてきました。サントリー様、ニチレイフーズ様などの食品・製造企業との長期的な取引実績があり、建物の維持管理まで一貫して支援しています。
食品工場の特性を熟知しているからこそ、将来的な運用まで見据えた提案が可能です。
FACTASは、単に「建物を建てる」ことが目的ではありません。お客様の事業目的や製造プロセスを深く理解し、「どのような工場であれば事業が成功するか」という視点で計画・提案を行います。
工場建設の先にある“事業の成功”をともに描くパートナーとして、長期的にサポートします。
食品工場の建設は、経営方針や事業計画と整合させながら、段階的に計画を組み立てていくことが重要です。ここでは食品工場コンサルティングから建設までの流れについて説明します。
まず、経営層と現場との間で目的やゴールを明確化し、事業計画・中長期経営計画との整合性を図ります。目的と施策が一貫しないとプロジェクトがまとまりにくくなるため、優先順位付けも含めて慎重に対応します。
単なる現場改善に留まらず、将来的な成長を見据えた戦略設計が可能であることがFACTASの強みです。
目的の明確化支援、生産能力の定義、予算設定の支援、改善テーマの抽出、生産工程・衛生基準の確定を行います。
食品工場建設にあたり、用途地域や地盤条件、衛生・防虫・結露対策、HACCPなど衛生面での認証対応などの環境要因を考慮し、最適なゾーニング・導線計画・設備配置を行います。
食品工場建設にあたり、予算・スケジュール・BCPやSDGs対応、物流機能の最適化などを考慮して、最適な進行方式やパートナー選定を行い着工します。
工場建設完了後に引き渡しを行い、工場が稼働可能な状態となります。
ご相談いただくことで、実現したい内容の優先順位を整理することができます。また、特定の設計会社様・施工会社様に偏らず、フラットな立場で検討を進めていただける点も大きなメリットです。
どのような工場にしたいかの方向性が固まった段階で、総事業予算をお決めになる前にご相談いただくことをおすすめいたします。
相談先ごとに得意分野が異なるほか、ご相談をきっかけに業務依頼へと発展することで費用が高くなる可能性があります。まずは第三者的な視点でフラットにご検討いただける環境を整えることをおすすめいたします。
当サービスはCM業務の一部をさらに深掘りし、プロジェクト進行中に追加対応となりやすい内容を事前にご提供する点が特徴です。なお、CM業務をご希望の場合は、グループ会社のAGECにて対応が可能です。
当社は食品工場建設を専門とするゼネコンですが、人的リソースの関係で全案件への対応が難しい状況です。そのため、より多くの企業様に当社の知見をご活用いただく目的でコンサルティングサービスをご提供しておりますが、施工まで一貫して対応することも可能です。
はい、可能です。むしろ早い段階でご相談いただくことで、後々スケジュールが逼迫し、検討が不十分なまま進んでしまうことを防ぐことができます。
当社は設計と施工を一貫して行い、設計段階で不足する情報を現場代理人が補完することで品質を担保しております。そのため、設計のみのご依頼には対応しておりません。
コンサルティング業務にて作成した成果物はお客さまの大切な資産です。入札を含め、ご自由にご活用いただけます。
建設判断やプロジェクト進行において事前に確認すべき内容を整理し、ご提供しております。内容は多岐にわたりますので、詳細はお問い合わせいただけますと幸いです。
お客さまがお持ちの建物や敷地の状態を整理し、その土地でどのような活用・投資が可能かを把握していただくためのリストです。
必要なエリアや機能を事前に洗い出し、工場としての仕様をまとめた書類です。これにより仕様を統一でき、無駄な投資を抑えることができます。
打ち合わせ回数、成果物の内容、期間などによって異なります。基本的には工数に基づいてお見積りをしておりますので、詳細はご相談くださいませ。
食品工場の建設は、その他の製造施設と比較しても、難易度が非常に高く、専門的な知識をもって計画しなければならないポイントが多いです。現在新たに建設される食品工場は、改正食品衛生法によりHACCPによる衛生管理に則った施設を作らなければならず、ほかにも関係する法令が非常に多いです。一般的な製造施設は、何よりも「生産性の向上」を目的に建設プロジェクトの立案がなされますが、人が口にする食品を製造する食品工場は、生産性向上と同時に安全、衛生を確保しなければいけません。
したがって「食品工場の建設を考えているものの、何から手をつければ…」と悩んでいる企業様は、積極的に食品工場コンサルティングを利用することをおすすめします。
食品工場建設専門のFACTASは、事業計画に沿った食品工場建設を提案しており、多くの企業様に好評いただいております。食品工場の建設や改修を検討している企業様はまずは、お気軽にご相談ください。
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この記事を書いた人

安藤 知広
FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長
1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。