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投稿日:2024.02.12 
更新日:2024.03.05 

食品工場におけるウェットエリアとドライエリア

ウェットエリアとドライエリア
 
食品工場は「ウェットエリア」と「ドライエリア」に大別することができます。ウェットエリアは、材料の下処理や加熱調理などを行う場所で、多くの水を使用することが想定されます。一方、ドライエリアは、充填室や包装室など、水分がない環境が求められる場所となります。

食品工場は、全てのエリアで衛生管理を徹底できる仕様であることが最も望ましい形です。したがって、「ウェットエリア」と「ドライエリア」は、それぞれのエリアの使用用途に応じた性能が求められます。床の仕様だけでも、水洗いや水拭き、乾拭きなどの清掃性を考慮する必要があるエリアと台車の移動などによる損傷を防ぐため、耐摩耗性や耐久性など、エリアごとに異なる仕様が求められるという特徴があります。これは、食品工場建設やリニューアルの際も重要なポイントです。

そこで当記事では、食品工場の衛生管理や品質を保つため大事なポイントになる、「ウェットエリア」と「ドライエリア」の仕様について解説します。

 

床が濡れたままの状態が長引く事による危険

食品工場の衛生管理を考えた時には、工場の床が頻繁に濡れた状態のままになっていないかをチェックすることが大切です。食品工場での作業は、水を使用する場面が多くありますが、濡れた床をそのままの状態で放置しておくことは、さまざまな問題に発展する可能性があります。例えば、以下のような危険性が考えられます。
 

  • 菌やカビの増殖を招く
  • 水が跳ねて食品に付着することで食品事故の危険性が高くなる
  • 従業員が作業中に転倒する可能性が高くなる

 
通常、施工したばかりの床であれば、まだ高い性能が保たれていることから、床の汚れを除去する目的で水洗いし、そのまま濡れた状態にしておいても大きな問題には発展しないと考えられます。

しかし、長年使用されている工場の場合、床面の経年劣化が進んでいることからすり減った箇所に水が溜まったり、ひび割れた箇所から水が浸入し剥がたり捲れたり欠損が生じます。その結果、床の水分を利用して菌やカビが繁殖し、製造する食品の品質を落とす、食中毒事故に発展するなどの問題が発生する可能性が高くなります。

この他にも、床が濡れたままの状態だと、作業中の従業員が足を滑らせ、転倒して怪我をすることも考えられます。したがって、食品工場の床は、衛生面、安全性の確保を目的に、常に綺麗な状態を保つ必要があります。

 

ウェットエリアとドライエリアの仕様について

続いて、ウェットエリアとドライエリアの仕様について解説します。

冒頭でご紹介したように、食品工場は、通常ドライエリアとウェットエリアの2つに分かれます。一般的に、ウェットエリアは、加熱調理や下地処理を行う場所となるので水が多く使われ、逆にドライエリアは充填・包装などの作業が想定される場所となるので水がない環境が望ましいです。つまり、それぞれのエリアは使用用途が異なるため、床塗装などの仕様については、それぞれのエリアに求められる性能に合わせて選ぶ必要があります。

それでは、食品工場のウェットエリアとドライエリアの仕様を以下でもう少し詳しく解説します。
 

食品工場の床仕様について

ウェットエリアの床は適切に排水できる環境を作らなければいけません。一方ドライエリアは、搬送機器の行き来が想定されるため、耐久性や耐摩耗性が求められるでしょう。具体的には、以下のような床仕様が求められます。

  • ウェットエリアの床仕様
    エリア内の生産設備や調理器具などの配置も考慮して、適切な排水計画や床勾配の計画が重要です。また、日々の清掃が容易になるよう、排水溝の蓋は開け閉めが容易なものにする、食品残渣が排水管の中に直接流れないようにする排水桝の設置なども重要です。排水桝は、カゴ付きのものにするなど、清掃性も考慮する必要があります。
  • ドライエリアの床仕様
    ドライエリアは、重量物の運搬やフォークリフトの走行する場所では、フラットかつ耐久性のある床に仕上げることが重要です。基本的には、グレーチングなどの排水設備は設置しませんが、水拭き清掃などに対応するセミウェット用の排水設備を設置する場合が多いです。。

なお、食品工場の床は、取り扱う製品や用途によって、耐熱性や耐薬品性、防滑性などの要求性能が異なり、施設によった仕様を選ぶことがポイントです。
 

内装仕様など、その他の部分について

食品工場は、衛生管理が非常に重要であることから、ウェットエリア・ドライエリアともに、清掃性の高さが求められます。特に、入隅部分は塵や埃などの汚れがたまりやすいので、壁と床、壁と天井などの入隅部分をR構造にして清掃が容易にできるようにするなどの対策が施されます。

この他にも、内装仕様などは以下のような対策が施されます。
 

  • ウェットエリアの内装仕様
    下地処理や加熱調理が行われるウェットエリアでは、製造過程で水だけでなく熱湯や食材、汁などが床にこぼれたりします。そのため、ウェットエリアは、毎日水洗いすることを想定し、水はけがよく、効率的に清掃ができる環境が求められます。また、壁には撥水性が良いパネルを採用する、ドアピットなどでドライエリアへの水の侵入を防ぐといった対策も必要です。なお、排水溝のグレーチングは、日々の清掃が容易になるよう開け閉めしやすいだけでなく、台車の車輪などがはまらない寸法のモノを選びます。
  • ドライエリアの床仕様
    ドライエリアは、生産過程で水を扱う作業が基本的にないため、常時乾いた状態が維持されるようにします。ただし、塵や埃の清掃は必要です。したがって、内装仕様は、塵や埃などが溜まりにくく、さらに清掃がしやすいようにすることが基本です。壁などには、防汚性・抗菌性が高いパネルなどを採用します。なお、ドライエリアは、全く水を使わない室ばかりではなく、定期的な水洗いや日常的な水拭きを必要とする場合もあり、その場合は清掃用の簡易的な排水設備を設ける必要があります。

 
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まとめ

今回は、食品工場のウェットエリアとドライエリアについて、それぞれのエリアに求められる性能と仕様について解説しました。

食品工場の中には、多くの水が使用される「ウェットエリア」と水がない環境が求められる「ドライエリア」という、真逆のエリアが存在します。それぞれのエリアは、異なる用途で利用されるため、求められる性能が変わります。食品工場は、特に衛生面が重要な施設であるため、どちらのエリアも衛生面に配慮した仕様が求められることは変わりませんが、室内で行われる作業によって床の性能や設置しなければならない設備などが変わる点に注意しましょう。

食品工場は、その他の施設と比較しても、非常に高い専門性が求められるため、食品工場の建設や修繕については、高い技術力と豊富な経験を持つ弊社に是非ご相談ください。

この記事を書いた人

sande

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。