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食品

投稿日:2022.07.21 
更新日:2022.11.22 

セントラルキッチンの仕組みと導入により得られるメリットについて

今回は、外食産業において、年々その存在が重要視されるようになっている「セントラルキッチン(CK)」について解説します。
セントラルキッチンとは、複数の飲食店や病院、学校などの常に大量の料理を提供する必要のある施設の調理を一手に引き受ける事で、コスト削減と売上向上を追求する食品工場のことです。

セントラルキッチンの仕組みは、ファミリーレストランなど、複数の店舗を展開する外食チェーン店などを中心に取り入れられていたのですが、近年では、スーパーマーケットの総菜製造や病院・福祉施設など、大量の料理を提供するあらゆる場所で活用されています。

実際に、食品工場を建設している弊社にもセントラルキッチン建設に関する相談を多数頂いている状況です。そこでこの記事では、「セントラルキッチン(CK)」の基礎知識や、導入した場合に得られるメリットを解説していきたいと思います。

セントラルキッチンの基礎知識について

まずはセントラルキッチンの基礎知識として、その仕組みを簡単に解説します。

冒頭でご紹介したように、セントラルキッチンは、複数の場所で提供される食品の調理を一箇所で引き受ける食品工場のことを指しています。セントラルキッチンは、原材料の仕入れを始めとして、調理から食品の配送までを行います。そして、セントラルキッチンで作られた料理は、それぞれの施設で盛り付けを行い、提供するという形になっています。

このような仕組みは、複数個所で提供する料理の食材について、仕入れを一元化することができ、仕入原価を下げることが期待できます。また、調理場所が一箇所になりますので、調理に必要になる人員が少なくなるほか、食品の味を均一化することができるなど、さまざまなメリットがあります。

セントラルキッチンの仕組みは、1970年代頃より、ファミリーレストラン業界で取り入れられてきました。ファミリーレストランのようにチェーン展開している飲食店では、各店舗にキッチンを用意してその場で調理するよりも、一箇所で調理し、各店舗に配送するという仕組みを作る方がさまざまな面で有利に働くからでしょう。例えば、セントラルキッチンで各店舗で提供する料理の調理を引き受けた場合、店舗には複雑な厨房設備などを設置する必要がなくなりますので、新規店舗の出店に関わる負担などが少なくなるでしょう。また、各店舗で必要となる人材に関しては、複雑な調理の技能まで必要としないことから、幅広く人材の募集が可能になります。

チェーン展開する飲食店では、上記のような経費削減効果の他、味の均一化や料理提供までの時間短縮が可能になることから回転率を上げられるなど、売上向上も期待できることから、セントラルキッチンという仕組みが注目されたのだと思います。

セントラルキッチンを導入するメリット

セントラルキッチンを導入する際にはもちろんセントラルキッチンの建設から行うことになります。
それには多額のコストが必要になりますが、それでも導入する企業が増えていることからも、多くのメリットがあることは理解できます。
ここでは、セントラルキッチンを導入した場合のメリットをまとめます。

売り上げアップを期待できる

セントラルキッチンの導入は、各店舗の売り上げアップに貢献してくれるというメリットがあることから、多額のコストをかけてでも導入する価値があると考える企業が多のです。セントラルキッチンが、売上アップに貢献できる理由は、以下のような点です。
 

  • 提供する食品の均一化
    セントラルキッチンを導入した場合、各店舗における食品の品質を均一化できるというメリットがあります。店舗ごとにキッチンを設置して、現場で調理している場合、チェーン店なのにお店によって味が異なるという問題が起きてしまいます。万一、お店の基準に満たない味の食品を提供してしまった場合、そのお店の問題だけにとどまらず、「○○というチェーンは美味しくない」など、グループ全体の評判を下げてしまう結果になりかねません。セントラルキッチンを導入し、どのお店でも一定の品質を保った料理の提供ができるようになれば、「どのお店に行っても同じ品質で楽しめる」という印象を与え、リピート客の増加につながり、売上アップが期待できます。
  • 製造キャパシティが増える
    各店舗にキッチンを設置し、注文を受けてから調理をするという仕組みだと、製造可能量に限界があります。これが、セントラルキッチンを導入すれば、一度に大量の食品を調理することができるようになりますので、製造可能量のキャパシティを増やすことが可能です。さらに、店舗で料理を提供する際には、一から調理するのではなく、温めて盛り付けるだけで提供できるようになることから、お客様の回転も速くなると期待できます。これらは、どちらも店舗の売上アップを助けてくれます。

コスト削減を期待できる

セントラルキッチンの導入は売り上げアップだけでなく、中長期的な視点で考えた場合、各店舗にキッチンを分散するよりもコスト削減が可能です。

  • 人件費の削減
    セントラルキッチンでまとめて調理をする場合、各店舗では複雑な調理作業がなくなるわけですので、調理専門のスタッフなどを雇う必要がなくなります。つまり、調理技能を有する人材にかかる人件費を大幅に削減することができます。
  • 新規店舗の出店コストが下がる
    新たな店舗を出店する時には、複雑な調理設備などを導入する必要がありません。セントラルキッチンで調理した料理を、温め直して盛り付けするといった仕組みになりますので、新規店舗の出店にかかるコストを削減できるようになります。
  • 仕入れコストの削減
    セントラルキッチンを導入した場合、複数店舗の調理をまとめて行うことになるため、一度に大量の食材を仕入れることになります。したがって、大量発注による仕入原価の削減が可能になります。
  • 衛生管理コストが下がる
    セントラルキッチンの導入は、衛生管理がし易くなるという点も大きなメリットです。と言うのも、各店舗にキッチンを用意した場合、衛生管理をしなければならない場所や人が多くなりますので、何らかの問題が生じてしまうリスクはどうしても高くなります。調理を一箇所に集中すれば、それだけコストも下げて衛生管理を徹底することができます。

セントラルキッチンの導入には、上記のようなさまざまなメリットが考えられます。

さらに近年外食産業でセントラルキッチンが注目されているのは、お店独自の調理方法やレシピなど、企業の財産と言える情報の漏洩のリスクを低減できるというメリットもあるからです。情報漏洩のリスクに関しては、機密情報に触れる人員が多ければ多いほど高くなります。したがって、秘密にしておきたい調理工程やレシピに関して、セントラルキッチン内でしか取り扱わないことにすれば、その情報に触れることができる人が少なくなるので、情報が出回るリスクを少なくすることができるわけです。

このように、さまざまなメリットが存在することから、外食産業だけでなく、学校や福祉施設など、あらゆる業界でセントラルキッチンの導入が進んでいます。

セントラルキッチンのデメリット

セントラルキッチンの導入を検討している場合、メリットだけでなく、デメリットについてもきちんと押さえておかなければならないでしょう。ここでは、セントラルキッチンのデメリットも簡単にご紹介しておきます。

  • 食品ロスが増えてしまうかもしれない
    セントラルキッチンは、店舗で調理することと比較すると、食品ロスが発生するリスクが高くなると言われています。店舗にキッチンがある場合、注文が入ってから調理を始めますが、セントラルキッチンの場合、注文の有無に関係なく大量に調理して店舗に配送します。つまり、店舗での注文が配送されてきた食品に追い付かない場合、食品ロスとなるわけです。なお、セントラルキッチンで調理した食品が残ってしまった場合、店舗で調理する以上の損失になると考えておきましょう。店舗での食品ロスは、食材が残るといった感じなのですが、セントラルキッチンの場合、既に調理されたものが残るわけですので、食材のみではなく人件費や光熱費などもかかっているからです。
  • 食品事故の際に被害が拡大しやすい
    食中毒事故などが発生した場合、店舗で調理するよりも被害が拡大しやすいのがセントラルキッチンです。これは、セントラルキッチンで調理した食品を、複数の店舗に配送して提供するわけですので、製造した時点で問題があった場合、全ての店舗で食品事故が発生するリスクが生じます。

セントラルキッチン建設で注意したいこと

セントラルキッチンに限ったことではないのですが、2021年3年6月1日に食品衛生法が改正され、食品工場では食を取り扱う環境の変化への対応が求められています。
改定の内容は、過去の食中毒の発生状況等を踏まえ、規格基準の有無や許可業種の再編がされています。
デメリットでもご紹介したように、セントラルキッチンは食中毒や異物混入などの食品事故が発生した場合被害が大きくなります。
食品事故が発生しないように、必要な基準をしっかり守って、セントラルキッチンに適した導線設計や設備を整える必要があります。
セントラルキッチンの建設については食品関連施設の建設実績が豊富な会社に依頼すると安心です。

まとめ

今回は、セントラルキッチンの基礎知識をご紹介してきました。この記事でご紹介したように、セントラルキッチンは、複数の場所に提供する食品を一箇所の施設で作る仕組みのことを指しています。

この記事でご紹介したように、セントラルキッチンは複数店舗を展開している飲食チェーン店からすると、さまざまな部分のコストを削減することができるうえ、お店の回転数を上げることで売り上げアップを目指すことができるなど、非常に大きなメリットがある仕組みとなり得ます。そのため、現在、セントラルキッチンの導入を検討している企業が増えています。

しかし、セントラルキッチンのように、人が口にする食品を大量に取り扱う施設では、非常に厳しい衛生管理が求められており、現在では数多くの認証を取得しなければならないようになっています。
そのため、セントラルキッチンの導入を検討の際は、食品関連施設の建設実績が豊富な三和建設にご相談ください。
検討段階でのご相談はもちろん、各種認証取得のサポートまで行っております。

セントラルキッチンの建設に関するご相談はこちら

この記事を書いた人

辻中敏

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。