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建築

2022.08.22

セントラルキッチン方式導入前に確認しておくべきポイント

今回は、外食チェーンを始めとして、病院や福祉施設、学校給食などと幅広い場面で採用されているセントラルキッチンについて、これからセントラルキッチンを導入する場合に注意しておきたいいくつかのポイントをご紹介します。

セントラルキッチンは、外食チェーン店などで広く採用されている仕組みで、各店舗で提供される料理を一箇所の大規模施設で集中的に調理するというものです。セントラルキッチンは、複数の店舗で必要になる食材をまとめて仕入れることになるので、仕入れコストを削減することが可能です。また、各店舗では、調理の仕上げや盛り付けなど、簡単な工程のみを担うだけですので、複雑な厨房機器や料理スキルを持った人員などが必要なくなり、さまざまな部分でコストカットが実現します。他にも、味の均一化や一定以上の品質を保てるなど、複数店舗を運営する外食チェーンからすると、非常に多くのメリットがあると考えられています。

以下の記事でセントラルキッチンの仕組と導入により得られるメリットについて解説しています。
セントラルキッチンの仕組みと導入により得られるメリットについて

しかし、外食チェーンでセントラルキッチン方式が一般化している現在でも、これを採用していない大手外食チェーン店も存在しています。それでは、こういった企業は、前述したメリットが存在するのにも関わらず、なぜセントラルキッチン方式を採用しないのでしょうか?

この記事では、セントラルキッチンを導入する前に知っておくべき、いくつかの懸念点をご紹介しておきます。
 

セントラルキッチン導入時の検討ポイントについて

セントラルキッチンは、上述しているように、非常にメリットの多い仕組みであることは間違いありません。しかし、実際に外食チェーン店などがセントラルキッチン方式の導入を検討した時には、事前に検討しておかなければならないポイントもたくさん存在します。

なぜならば、冒頭でご紹介しているようなセントラルキッチン方式のメリットを活かすには、いくつかの条件を満たしていなければならないからです。ここでは、セントラルキッチン方式の導入にあたって、事前に検討すべきいくつかのポイントをご紹介しておきます。
 

用地の確認(配送エリアとの関係)

セントラルキッチンを建設する用地についてのメリットは、各店舗で提供する料理を、一箇所の拠点でまとめて調理することで、調理に関わる作業の効率化ができることや、設備や人件費などのコスト削減が期待できることです。

ただし、セントラルキッチンの場所が、各店舗とあまりに離れた場所に存在するという場合、配送にかかるコストが莫大になってしまうことでしょう。さらに、配送に余計な時間がかかってしまうと、店舗で使用する料理の品質などにも悪影響を与えてしまいます。近年では、急速冷凍技術の進化により、品質を保ちつつ安全に運搬することができるようになっていますが、冷凍処理をせずに使用する食材もあるでしょうし、セントラルキッチンと配送場所との関係をしっかりと確認しておかなければいけません。
 

セントラルキッチンでの省人化・省力化

セントラルキッチンの作業環境についてのメリットは、複数の店舗で必要になる食品を一箇所でまとめて調理することで、「各店舗に複雑な調理設備が必要なくなる」「調理スキルを持った人員を配置しなくて良くなる」などにより、さまざまな部分のコスト削減が期待できるということです。

ただ注意が必要なのは、セントラルキッチン方式を導入したとしても、調理のためにセントラルキッチンに大量の人員を配置しなければならない…なんてことになると意味がありません。一箇所で集中して調理を行うにしても、機械化などを進めて省人化・省力化を行っておかないと、最大限の人件費削減効果が得られなくなってしまいます。したがって、セントラルキッチンを導入する時には、可能な部分から機械化を進め、少ない人員でもスムーズに作業ができるように工夫をすることがオススメです。

なお、いくら機械を導入し調理の自動化を進めたとしても、それによって料理の味が落ちてしまうなどといったことが起こらないようにしなければいけません。つまり、セントラルキッチン方式を導入する際には、施設に導入する機器選定が非常に重要で、機器の選定を慎重に行わなければ、人件費の削減効果が低下してしまったり、料理の品質が落ちてしまい売り上げが低下してしまうなどといったリスクが生じます。
 

ルール作りと社員教育が重要

セントラルキッチン方式を導入する場合、そこで働く従業員の教育が非常に重要になります。複数の店舗で提供される食品を、一箇所で集中して調理する場合、多くの人員が働くことになるので、衛生管理面での社員教育は徹底して行わなければいけません。

なぜなら、セントラルキッチン方式の場合、料理の味や品質の均一化が目指せるというメリットがある一方、万一の際には被害が大きくなってしまうリスクがあるからです。例えば、食中毒事故が発生した時、セントラルキッチンでの作業が食中毒の原因だった場合、全ての店舗で被害が出てしまうことも考えられるわけです。これが、店舗調理体制であれば、食品事故が起きた店舗だけ営業停止となるのですが、セントラルキッチン方式は、全ての店舗にまで被害が拡大してしまう恐れがあるわけです。

このように、一点集中型のセントラルキッチン方式は、万一の際のリスクが非常に大きいということから、そういった事故を未然に防げるようなルールを作り、それを徹底できるような社員教育をしなければならないと考えてください。
 

セントラルキッチンの導入は小規模スタートがオススメ

セントラルキッチン方式の導入を検討した場合、まずどの程度の規模でスタートすべきなのかで迷う場合もあります。例えば、想定している出店計画通りに事が進めば、店舗数の増加に比例してセントラルキッチンの稼働率が高くなっていきます。そして、セントラルキッチンスタート時に設定していた、製造能力の限界を超えると、設備の入れ替えなどをしてセントラルキッチン自体の能力を高めていく必要があります。こういったことから、最初からある程度、大規模なセントラルキッチンでスタートするのも悪くないのではないかと考えてしまうケースは多いようです。

しかし、いきなり大規模なセントラルキッチンを建設した場合、さまざまな問題が立ちはだかる可能性があります。例えば、セントラルキッチンで集中して大量の料理を製造したとしても、それを消費できる店舗が無ければ、食品ロスが大量に生じてしまいます。また、セントラルキッチンが持つ本来の能力を発揮することができませんので、設備にかけたコストや人件費など、無駄なコストばかりかかってしまうことになります。セントラルキッチンは、さまざまなメリットが享受できると言われていますが、あくまでも高い稼働率を維持できている場合のみだと考えなければいけません。

こういったことから、セントラルキッチンの導入は、小規模でスタートした後、売上や店舗数の増加などに応じて、徐々に規模を拡大していくという方法が良いでしょう。小規模でスタートし、製造から配送までのノウハウが構築できれば、規模を拡大する際に、より効率的な設備の選定や作業レイアウトの見直しなどもスムーズにできるようになるはずです。
 

まとめ

今回は、セントラルキッチン導入時の注意点について簡単にご紹介してきました。

この記事でご紹介しているように、セントラルキッチン方式を導入する場合には、メリット面ばかりに注目するのではなく、セントラルキッチン方式のリスクにきちんと着目し、その改善策を検討しておかなければいけません。例えば、セントラルキッチンは、複数店舗の調理を一箇所に集中することができる点が大きなメリットなのですが、その一方で、調理中に異物混入などがあれば、全ての店舗で食品事故が発生してしまうリスクが生じます。また、セントラルキッチンで製造された食品は、いろいろな場所に配送されることが前提ですので、食品製造のことだけでなく、配送に関わるノウハウまで必要になります。

こういったことから、セントラルキッチン方式の導入を決めた場合、食品関連施設の建設実績を持っているのはもちろん、物流関連施設に関しても豊富な実績を持っている建設会社に相談するのが安心です。さらに、セントラルキッチンは、人が口にする食品を取り扱う施設ですので、衛生管理に関わるさまざまな認証なども取得しなければいけません。ファクタスでは、第一食品様(病院食)、北辰商事様(スーパーの総菜)など、数多くのセントラルキッチン建設実績のある三和建設に、ぜひお気軽にお問い合わせください。

この記事を書いた人

辻中敏

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。