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投稿日:2025.12.03 

異物混入防止対策の必須アイテム【取るミングシリーズ】を紹介

異物混入防止対策の必須アイテム
 

異物混入とは、食品の製造過程において、本来は食品に含まれるべきではない物質が混入してしまうことを指しています。ここで言う『異物』には、動物性(毛髪、虫、排泄物など)、植物性(木片、紙片、カビなど)、鉱物性(金属片、ガラス片、土砂など)、化学物質など、さまざまなモノがあります。

食品製造過程でこれらが混入すると、消費者の健康被害や精神的な不快感を引き起こすだけでなく、商品の回収や生産停止など、企業の信頼を失墜させる重大な経営リスクに発展しかねません。

したがって、食品製造業者は、原材料の管理から製造、流通に至るまで、異物混入を防ぐ最大限の対策が求められます。

本記事では、食品工場の異物混入が起こる原因を解説するとともに、特に多い「人由来」の異物混入を防止するための対策と、効果的な除去アイテムをご紹介します。

 

食品工場の異物混入、主な3つの原因とは?

食品製造現場で起こる異物混入は、大きく「人由来・生物由来・工程由来」の3つに分類されます。それぞれの特徴とリスクを整理しました。

 
【異物混入の主な原因分類表】

分類 主な原因 具体例
人由来 従業員のミス、不注意 毛髪、衣類の繊維、つけ爪、絆創膏など
生物由来 外部からの侵入、繁殖 ハエ、ゴキブリ、ネズミ、カビなど
工程由来 設備の劣化、原材料汚染 金属片、プラスチック片、石、砂など

 

それぞれの詳細について解説します。

 

人由来の異物混入

人由来の異物混入は、従業員の作業ミスや不注意によるものを指します。例えば、以下のようなことが原因で食品に異物が混入する可能性があります。

  • 身だしなみ(帽子、作業着の着用ルール違反など)
  • 持ち込み品の管理不足(アクセサリー、つけ爪など)
  • 清掃用品の破損(ブラシの毛、手袋の切れ端など)
  • 目視での確認漏れ(昆虫、異物など)

例えば、帽子や作業着の着用ルールを守らず、毛髪・体毛が混入してしまうというケースは少なくありません。他にも、作業中の摩耗や接触により、つけ爪やアクセサリーが脱落して混入するというケースも考えられます。
 

生物由来の異物混入

生物由来の異物混入は、害虫や害獣が製造エリアにまで侵入することで発生します。例えば、以下のような事例が考えられます。
 

  • 換気口などからハエやゴキブリ、ダニなどの昆虫が侵入する
  • ネズミなどが侵入し、毛や寄生虫が混入する
  • 原材料に昆虫や幼虫が付着していて製品に混入する
  • カビや細菌が繁殖して混入する(植物性異物とみなされる場合もある)

 
上記のほか、人毛、爪、皮膚片などの人体由来のものもありますが、これは上で紹介した人由来の異物となります。生物由来の異物混入は、害虫や害獣の侵入を許しているという意味でもあるため、施設の密閉化や害虫駆除など、防虫・防鼠対策を徹底する必要があります。
 

工程由来の異物混入

工程由来の異物混入は、製造設備や原材料の管理などに問題があり発生します。例えば、製造設備・機械が経年劣化し、部品が脱落して混入するといったケースが多いです。
 

  • 製造設備・機械の摩耗による部品の脱落
  • 製造設備・機械の破損による破片の混入
  • 塗装剥がれやサビの混入
  • 原材料に虫や石、砂が付着していて製品に混入(仕入段階のミス)
  • 枝、葉、種子など植物由来の異物
  • 洗浄剤の残留など不適切な化学物質の使用または誤用

 
工程由来の異物混入は、製造設備・機械の劣化を原因とするケースが多いのですが、それ以外にも原材料の仕入れの時点で問題が発生しているケースも考えられます。製造設備の定期的なメンテナンスは当然として、作業開始前に目視による検査を強化する、金属探知機やX線検査機などの検査機器を導入するなど、検査体制の強化が有力な対策になるでしょう。
 

人由来の異物混入を防止する対策

前項でご紹介した通り、食品工場で起こる異物混入は、さまざまな原因が考えられ、そこで働いている「人」そのものが原因となってしまうケースも少なくありません。

つまり、異物混入事故を防止するには、そこで働いている従業員の協力が不可欠と言えます。そこでここでは、人由来の異物混入を防止するための対策について解説します。人由来の異物混入を防止するには、身だしなみ、作業手順、作業環境の3つの側面から対策を施す必要があります。
 

身だしなみによる個人衛生の徹底

先程紹介したように、人由来の異物混入は、作業時の衣服着用ルールが守れていないことが主な原因で、毛髪や皮膚片、爪などが混入するケースにつながっています。裏を返せば、決められたルールを徹底することで、こうした異物混入の多くは未然に防ぐことが可能です。例えば、以下のような対策を徹底すると効果的です。
 

  • 毛髪対策
    入浴や洗髪を徹底し、ブラッシングにより事前に抜け毛を落とす。また作業場へ入室する際は、粘着ローラーなどを使用して異物を除去する。
  • 衣服の対策
    作業着や帽子は、定められたルールに則って正しく着用させる。また、場内での腕まくりの禁止など、着用基準を厳格化する。
  • 個人衛生の徹底
    手指の傷やささくれがないかを入室前に確認し、異常がある場合は無理に作業させず、一時的に作業から外すなどの対応を行う。
  • 持ち込み禁止物の徹底
    つけ爪や絆創膏、装飾品など、作業中に脱落する可能性があるもの、異物になりやすい物品の持ち込みを禁止し、ルールを徹底する。

 
身だしなみに関しては、場内に入る前に「異物の除去」を徹底させることが大切です。
 

作業手順の見直し

人由来の異物混入を防ぐためには、ゾーニングや動線の設定で異物混入のリスクを低減するといった作業手順の見直しも効果的です。例えば、以下のような対策が考えられます。
 

  • 汚染源と清潔エリアを明確に分けるゾーニングや、異物が清潔エリアに移動しないような動線を再設定する
  • 作業員が清潔エリアに入る前に粘着ローラー・エアーシャワーを正しく使用し、体や衣服に付着した異物を確実に除去する(前室のルールの徹底)
  • 定期的な清掃を徹底し、場内に異物を残さない
  • 異物混入に対して、従業員の意識を高めるための教育を定期的に行う

 
異物混入を防ぐためには、厳格なルール作りや教育、服装の管理の徹底などが大切です。
 

作業環境の改善

最後は作業環境の改善です。以下の点に注意すると良いです。
 

  • 清掃には、異物混入の原因となり得る金属製のブラシ・たわしを使用しない、ネジやビスがなるべく使用されていない溶接加工された器具を使用する
  • 清掃しやすい環境作り(道具入れなどは清掃しやすいキャスター付きのものにするなど)
  • 金属探知機やX線検査機など、異物検知装置の導入(目視には限界があるため)

 
異物混入事故を防止するためには、環境の整備も大切です。
 

人由来の異物除去に特化した必須アイテム【取るミング】

「粘着ローラーだけでは、服のシワの奥に入り込んだ毛髪が取りきれない…」 そのような課題を解決するために開発されたのが、弊社グループ企業:三共空調株式会社が提供する『取るミング』シリーズです。
 

取るミングとは?

取るミングは、強力な吸引ターボブラシを活用し、人体や作業着に付着したゴミ、毛髪、塵埃を効果的に除去する装置です。 いわば「人体用の高性能掃除機」のような役割を果たします。

清潔エリアに入場する「前室」に設置することで、以下のメリットがあります。
 

  1. 強力な吸引力: 粘着ローラーでは取れない、衣服のシワや繊維の奥に入り込んだ異物を吸い出す。
  2. 汚染の遮断: 汚染源を清潔エリアに持ち込ませない「関所」として機能する。
  3. 意識向上: 専用機器を使用することで、従業員の衛生意識が高まる。

 

用途に合わせたシリーズ展開

目的や設置場所に合わせて、以下の4種類をラインナップしています。それぞれの詳細な機能は公式サイトをご覧ください。
 

 
▼ 参考動画:まつ毛・眉毛専用『かお取るミング』の使い方
まつ毛・眉毛専用『かお取るミング』の動画

 

まとめ

今回は、食品製造現場での異物混入について、どのようなことが原因となり、食品への異物混入が発生するのかについて解説しました。

異物混入は、食品製造過程で本来含まれるべきでない物質が混入することを指します。異物には、小さな昆虫や製造設備などから生じる金属片などもありますが、実は場内で働いている人そのものが異物の発生源になっているケースも少なくありません。抜け毛や衣服に付着した小さなゴミは、本人が場内に持ち込んでいるという意識を持たないため、気付かないうちに清潔エリアを汚染する原因となってしまいます。

したがって、人由来の異物混入を防止するためには、記事内で紹介した、身だしなみや場内に入場する際の作業手順の見直しなど、厳格なルールを作り徹底させることが大切です。なお、体に付着したゴミなどを除去する方法としては、粘着ローラーで毛髪やゴミを取り除くという方法が採用されるケースが多いです。しかし、この方法の場合、表面に付着した異物しか除去できない点に注意が必要です。徹底した異物の除去を目指すなら、『取るミング』シリーズなど、強力な機械の導入も検討しましょう。

この記事を書いた人

sande

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。