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食品工場におけるノロウイルス対策とは?

現在でも、なかなか収束の兆しを見せない新型コロナウイルス問題ですが、食品工場などの食品関連事業者は、新型コロナウイルスのことばかりに注意を払う訳にはいきません。

 

人が口にする食品を取り扱う事業者は、年間を通して施設の衛生管理に注意を払い、食中毒防止に努めなければいけません。食中毒に関しては、高温多湿で細菌が増殖しやすい環境になる夏場に注意しなければいけない…というイメージを持っている方も多いのですが、実は冬場に発生する食中毒件数も非常に多いのです。冬場に起こる食中毒の特徴は、ノロウイルスを始めとしたウイルス性の食中毒で、なんと令和元年(1~12月)に発生した食中毒の約5割はウイルス性食中毒だったという統計が出ています。 特に、ノロウイルスによる食中毒事故は、大規模なものになる傾向があると言われていますので、従業員全員にノロウイルス対策の重要性をしっかりと認識させておく必要があります。そこで今回は、食品事業者が考えておきたいノロウイルス対策をご紹介します。

令和元年に発生した食中毒について

それではまず、厚生労働省が行った『食中毒統計資料』から、令和元年に発生した食中毒事例の詳細を簡単にご紹介しておきます。

引用:農林水産省公式サイト 上図は、厚生労働省『食中毒統計資料』のデータから、令和元年(1~12月)に発生した食中毒の発生原因をグラフ化したものです。これからも分かるように、日本国内で発生する食中毒は、冬場に増加すると言われているウイルス性のものが約5割と、かなりの部分を占めています。次に多いのが、高温多湿な環境で増殖する細菌性のものです。 つまり、さまざまな食品を取り扱う事業者は、細菌などに注意するだけでなく、ウイルス性食中毒への対策が必要不可欠になります。

食中毒の発生時期は?

引用:農林水産省公式サイト 上のグラフは、令和元年に発生した食中毒を月別に分けたものです。このグラフから分かるように、「食中毒は夏場に注意しておけば良い!」という考えは大間違いで、年間を通して徹底的な食中毒対策が必要になってきます。特に12月~3月の冬場は、ウイルス性の食中毒が急増する時期となっており、ノロウイルス対策などが必要になります。

ノロウイルスとは

ノロウイルスは、感染型のウイルスで、人間が取り込むと腸管に住み着く性質があると言われています。一般的に、潜伏期間が1~2日程度といわれており、下痢、嘔吐、発熱などが食中毒症状として現れます。 ノロウイルスは、人から人へ感染してしまうという恐ろしい特徴を持っています。感染経路のほとんどは『経口感染』といわれており、例えば、ノロウイルスに感染した人の嘔吐物から人の手を介して二次感染が広がる…、感染した人が調理したものを食べることで感染が広がる…などと言ったケースがあります。 したがって、ノロウイルスの性質をよく理解して、徹底した食中毒対策を講じる必要があります。

食品工場で行うべきノロウイルス対策とは?

それでは、さまざまな食品を取り扱う食品工場におけるノロウイルス対策をご紹介していきます。多くの従業員が働く食品工場では、誰か一人でもノロウイルスに感染してしまった場合、その人を介して食品が汚染されてしまい、消費者に感染が広がってしまう恐れがあります。そういった感染拡大を防ぐため、徹底した食中毒対策が必要になります。 以下に、食品工場で行うべきノロウイルス対策をご紹介します。

従業員の健康管理

ウイルス性食中毒が増加する冬場は、従業員の健康管理を徹底する必要があります。ノロウイルスによる食中毒は、ウイルスを持っている二枚貝を、生のまま・加熱が不十分な状態で食べて感染してしまう…と言うケースもありますので、日常生活の中にあるこういった感染リスクも周知しておく必要があります。 さらに、健康状態が良くない…という自覚がある従業員については、責任者に症状を報告させ、直接食品を取り扱う作業につかないようにするなどの対策が必要です。なお、ノロウイルスの感染者を早期に発見するため、ノロウイルスの検便検査(リアルタイムPCR法など)などもありますので、体調不良を訴える人員が出た場合、こういった検査をすぐに受けてもらうのも有効です。 食品工場では、定期的に検便検査などを実施することで、無症状病原体保有者 (症状がないが感染している人)を早期発見することができ、従業員に対する注意喚起の効果も期待できます。

手洗いの徹底

新型コロナウイルス対策としても有効とされる『手洗い』は、ノロウイルスの感染拡大防止にも非常に有効です。上述したように、ノロウイルス感染者が食品に触れてしまうと、汚染された食品ができてしまい二次感染が広がるというリスクがあります。したがって、こういった二次感染を防ぐためにも「作業前は必ず手洗いをする」など、手洗いのルールを定めましょう。 また、従業員に「なぜ手洗いが必要なのか?」をきちんと理解させ、『適切な時に適切な方法で、全ての従業員が手洗いを行う』という環境を作る事が大切です。

調理器具の消毒

食品に触れるのは、従業員の手だけではありません。例えば、食材を切るために使用する包丁やまな板、加熱のための鍋など、食品加工にはさまざまな調理器具を利用します。 こういった調理器具も、ノロウイルスが付着している可能性がありますので、徹底的に消毒を行うようにしましょう。例えば、調理器具の洗浄後、次亜塩素酸ナトリウム溶液に5分程度浸け置きし消毒した後、十分に水で洗い流すなど、食品に触れる器具は徹底した対策が重要です。

食品の十分な加熱

どちらかというと、飲食店などが行うべきノロウイルス対策ですが、食品工場で働いている方も覚えておきましょう。 ノロウイルスは、食品の中心温度が『85~90℃』で90秒以上加熱することで、失活化させることができます。したがって、調理の際などは、中心温度計などを使い、十分な加熱をするように心がけましょう。

まとめ

今回は、食品関連事業者がおさえておきたいノロウイルス対策についてご紹介してきました。この記事でもご紹介したように、「食中毒は夏場に注意」というイメージを持っている方が多いのですが、実は年間を通して食中毒は発生するもので、特にウイルス性の食中毒は冬場が最も多くなります。 さまざまな食品を取り扱う食品工場では、徹底した衛生管理体制が作られています。しかし、過去には食品工場を発生源とした大規模なノロウイルス食中毒事故が発生したという事例もたくさん存在しています。したがって、今一度ノロウイルス対策の重要性を従業員の方に周知しておきましょう。特に今年は、新型コロナウイルス対策も並行して行わなければいけませんし、そちらにばかり目が行ってしまい、食中毒対策が甘くなってしまう危険があるかもしれません。


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