今回は、冷蔵・冷凍設備の天敵である『結露』の基礎知識についてご紹介していきたいと思います。
結露については、一般住宅などでも問題になることが多く、どのような建物だとしてもできるだけ結露が発生しないように、さまざまな対策がとられています。この結露は、室内と室外の気温差が大きな原因となるのですが、食の安全のために冷蔵庫や冷凍庫、低温作業室が備えられている食品工場や冷蔵倉庫などでは、部屋ごとの気温差が大きくなることから、非常に結露が発生しやすい条件が揃っていると言えます。したがって、こういった施設では計画段階から細心の注意を払い結露対策に取り組まなければいけないのです。
そこで今回は、そもそも結露がどういったメカニズムで発生するものなのか、結露問題を解決するにはどういった対策を取れば良いのかをご紹介します。
それではまず、結露のメカニズムについて簡単にご紹介しておきましょう。
結露というものは、気温差が激しい冷蔵・冷凍設備だけに起こるものではありません。例えば、私たちの普段の生活の中でも、冷たいドリンクの入ったコップの外側に水滴がついたり、寒い冬場に室内側の窓ガラスに水滴がつく現象なども結露です。一般論としては、「床・壁・天井で区切られた空間同士において、それぞれの空間の温度差が大きくなった場合、高温側の空間に表面結露が発生する」とされています。
結露のメカニズムとして覚えておきたいのは、暖かく湿気を含んだ空気が室外側(または室内側)から冷やされることで、暖かい空気に含まれる湿気が凝縮し、結露(水)に代わるものだとイメージしておけば良いでしょう。このメカニズムから分かるように、冷蔵・冷凍設備が多用される場所において、結露を完全に防ぐことは非常に困難なことなのです。それでは、食品工場などで結露が発生した場合、どういった弊害が出るのでしょうか?
一般住宅などでも、建物の劣化を速めてしまうリスクがあると言われ、大きな問題と捉えられていますが、お客様の商品を製造・保管する食品工場や冷蔵倉庫などで考えた場合、一般住宅とは比較にならないほどの弊害があるのです。
それでは、多くの食品関連施設で悩みの種となる、冷蔵・冷凍設備で発生する結露問題を解消するためにはどうすれば良いのでしょうか?
上述したように、結露というものは気温差や多くの水分を含む高い湿度が原因です。冷蔵・冷凍設備となれば、外気温との差がかなり大きくなるため、何らかの作業を行う際に扉を開けただけでも、その隙間から水を含んだ暖かい空気が侵入してしまい、結露が発生してしまうのです。一般住宅の小さな冷蔵庫などであれば、付着したちょっとした露をタオルで拭き取るなどとすれば、簡単に取り除くことも可能なのですが、大きな設備となれば手作業で結露を取り除くのは現実的ではありません。したがって、食品関連施設が抱える結露問題については「発生させないためにどうすれば良いのか?」という視点で対策をたてる必要があるのです。
ファクタスでは、結露問題に頭を悩ませている方のため、徹底的な調査のもと根本的な結露対策を提案致します。基本的に以下のステップで、現状の問題点を把握し、施設に最適な結露対策をご提案しています。
今回は、冷蔵・冷蔵設備を多用する食品関連施設の悩みの種となる結露問題について、そのメカニズムや弊社が行っている結露問題の解消ステップをご紹介しました。この記事でもご紹介しましたが、結露というものは、一般住宅などでも頻繁に発生するもので、現在の環境によっては結露の発生に慣れてしまい「結露が発生するのはしょうがない…」なんて諦めている場合もあるのではないでしょうか?
しかし、さまざまな食品を取り扱う施設で結露を放置してしまった場合、結露が原因となりカビが繁殖し、異物混入事故の原因となってしまいです。そうならないためにも、早めにご相談ください。