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投稿日:2026.02.09 

工場のヒヤリハット事例|現場で多い原因と対策を工程別に解説

ヒヤリハット
 
 
工場内で働く従業員の安全を確保するためには、作業工程の中で発生しうる「ヒヤリハット」をきちんと認識し、適切な対策を講じることが大切です。

ただ、工場におけるヒヤリハットについては、「工場でヒヤリハットが多発しても、具体的にどんな対策が必要か分からない」「そもそもどういった場面でヒヤリハットが発生するのか分からない」という方も多いかもしれません。

本記事では、工場で発生しやすいヒヤリハット事例について、工程別に解説します。また、工場内でヒヤリハットが発生する原因やその対策などについてもあわせて解説します。

 

ヒヤリハットに関する基礎知識

それではまず、ヒヤリハットに関する基礎知識について解説します。ここでは、「そもそもヒヤリハットとは?」「ヒヤリハット対策がなぜ重要なのか?」などについて解説します。

 

ヒヤリハットとは?

ヒヤリハットは、「重大な事故には至らなかったものの、ヒヤリとしたりハッとしたりする危険な事象」のことを指しています。

このヒヤリハットは、事故の予兆として位置づけられていて、日常業務の中でよく起こりうる小さな異常や不注意などを報告・共有・改善することで、将来的な重大事故(労働災害やミス)を未然に防ぐためのリスクマネジメント活動の基礎とされています。

 

ヒヤリハット対策の重要性

ヒヤリハットは、一見すると小さな出来事に見えますが、その裏には従業員の不注意や作業環境の不備、作業手順の不確かさに教育不足など、さまざまな根本原因が潜んでいます。そのため、「小さな事象だから」とヒヤリハットを軽視すると、同じような状況が繰り返されてしまうことになり、いずれは重大な労働災害や品質トラブルに発展してしまう可能性があります。

したがって、将来的な重大事故を防止するためにも、ヒヤリハットの段階で、その事象を共有・分析し、早期に対策を施すことが重要とされています。具体的な対策としては、作業手順の見直しや安全対策の強化、従業員教育の内容の改善など、ヒヤリハットの原因に応じて改善を積み重ねていくことが大切です。

その結果として、重大事故の発生を未然に防げるほか、現場の安全意識を向上させることにもつながります。

 

【工程別】工場のヒヤリハット事例

それでは、工場で発生しやすいヒヤリハット事例を作業工程別にご紹介します。

 

物流・原材料などの受け入れ

工場で発生するヒヤリハットは、原材料の受け入れ時に、台車やフォークリフトなどの車両の利用や荷物の移動によって発生することがあります。

具体的には、以下のような事例が報告されています。

  • 視界不良のまま車両走行
    フォークリフトでフレコンバックを運搬中、前方が見えにくいままの状況で走行し、前方にいた作業員と接触しそうになった。
  • コンベアへの巻き込まれ
    コンベアを稼働させたまま清掃を行い、清掃用のウェスがコンベアに巻き込まれ、作業員の手も巻き込まれそうになった。
  • 台車の荷崩れ
    台車に大量の荷物を積載して移動中、通路の段差で荷崩れを起こし、横を通りかかった人に当たりそうになった。
  • 荷揚げ中に荷物が倒れる
    昇降機を使って荷揚げをする際、斜めに立てかけて荷揚げをしようとしたところ、荷物が急に倒れて人が挟まれそうになった。

原材料の加工や処理

次は、原材料の加工や下処理の工程で発生しうるヒヤリハット事例です。この工程では、切断、穴あけ、洗浄、液体の移し替えなどの作業時に、以下のようなヒヤリハット事例が報告されています。

  • 刃物の利用、鋭利な破片
    石英ガラス片を無理矢理ゴミ箱に押し込もうとして、指を切りそうになった。
  • 加圧、噴出
    廃油バーナーの洗浄中に、圧力計の残圧を確認せずにストレーナーキャップを外して、中の廃油が吹き出してしまった。
  • 液体の移し替え
    可燃性液体を容器に移し替える際、静電気によって引火し危険を感じた。

組立て、加工工程

工場で発生するヒヤリハットは、製造工程における機械操作や手作業による組立て作業中に発生するケースも多いです。

  • 機械への巻き込まれ
    稼動中のプレス機に手が近づき、機械に巻き込まれそうになった。
  • 不適切な工具の使用
    分解作業中、ハンマーが外れて自分の手を叩きそうになった。
  • 金属加工機械への挟まれ
    金属加工機械のそばを近道として利用し、体が挟まれそうになった。

 

検査や梱包の工程

外観検査、包装、梱包作業などの工程でもヒヤリハット事例が報告されています。

  • 高所からの転落
    台車を足場にして高所にある荷物を取ろうとしたが、キャスターをロックしていなかったためにバランスを崩し、転倒・転落しそうになった。
  • 刃物の不適切利用
    段ボールをカッターナイフで切断中、勢い余って右大腿部を切りそうになった。

出荷作業の工程

出荷作業の工程では、トラックへの荷物の積み込み時などにヒヤリハットが起きやすいです。

例えば、以下のような事例が報告されています。

  • 高所からの転落
    トラックの荷台で作業を終え、降りようとテールゲートリフターに足を載せたとき、荷台とリフトの段差に気づかずにバランスを崩し、地面に落ちそうになった。
  • 荷崩れ
    トラックのウィングを開け荷物の積込み作業中、崩れ落ちそうになった荷物を支えようとして、荷台から転落しそうになった。
  • 車両事故
    後退走行をしている2台のフォークリフトが激突しそうになった。

上記以外にも、現場ではさまざまなヒヤリハットが発生しています。ヒヤリハット事例については、厚生労働省の専用サイト内で紹介されているので確認しておきましょう。

参照:職場の安全サイト「ヒヤリハット事例」

 

ヒヤリハットが発生する主な原因と対策

ここまでは、工場などの現場で発生しやすいヒヤリハット事例を作業工程別にご紹介しました。

それでは、上で紹介したようなヒヤリハットが現場で発生してしまう原因とはどのようなことが考えられるのでしょうか?ここでは、ヒヤリハットが発生する主な原因と対策について解説します。

 

ヒヤリハットの原因

ヒヤリハットの原因は、事例ごとにさまざまなことが考えられますが、いくつかのグループに分けることができます。

  • 作業手順が不適切
    作業手順が明確にされていない、周知徹底されていないなどが原因となり、作業員が危険性を軽視して、不適切な方法で作業を進める。
  • 設備面の問題
    点検、整備不足、問題の放置などがあげられます。例えば、電源ケーブルの絶縁被覆が破損しているのを放置して作業員が感電するなどが考えられます。事前に点検し、破損部分を修理していれば事故を避けられるはずです。
  • 環境面の問題
    整理整頓の不徹底、視覚や段差の放置などがあげられます。
  • 人的要因
    長時間労働による疲労や寝不足、体調不良などに陥ると、集中力低下や焦りなどのメンタル面の問題からミスや事故につながる恐れがあります。また、教育や訓練の不足は、作業員の技術不足や経験不足による判断ミスなどを引き起こす可能性があります。

ヒヤリハット対策について

ヒヤリハットを減少させるための組織的な対処としては「ヒヤリハット活動」と「危険予知トレーニング(KYT)」が有効とされています。厚生労働省によると、「ヒヤリハットを集め、事前の対策と危険の認識を深めることで、重大な事故を未然に防ぐ活動」がヒヤリハット活動で、作業員ひとりひとりが出来る安全活動のひとつと位置付けています。また、危険予知トレーニングについては、「作業や職場にひそむ危険性や有害性などの危険要因を発見し解決する能力を高める手法」とされ、これもヒヤリハット対策として有効とされています。

この他にも、現場環境の5S(整理・整頓・清掃・清潔・しつけ)徹底や作業前や作業中の「確認の徹底」が有効な対策となります。

ヒヤリハット対策は、将来的な重大事故を防ぐためにも非常に重要とされています。ハインリッヒの法則では、「1件の重大事故の背後には重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には300件の障害のない事故(ヒヤリハット)が隠れている」とされています。つまり、現場で発生する小さなヒヤリハットを減らしていくという行動は、29件の軽微な事故、そして1件の重大事故を未然に防ぐことに繋がると考えられるわけです。

 

まとめ

今回は、工場などの現場で発生しうるヒヤリハットについて、発生原因や減らすための対策を解説しました。

記事内でご紹介した通り、工場内のヒヤリハットにはさまざまな原因があります。「1件の重大事故の背後には300件のヒヤリハットが隠れている」と言われるハインリッヒの法則の通り、適切な対策の実施は事故を未然に防ぐために非常に有効です。

ヒヤリハットは従業員のヒューマンエラーだけでなく、作業環境が起因となるケースも少なくありません。現場のヒヤリハットをゼロに近づけるには、工場のレイアウトや設備の根本的な課題解決も必要です。建設時の設計や設備選びがいかに重要か、改めて意識したいポイントです。

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この記事を書いた人

sande

安藤 知広

FACTASブランドマネージャー
執行役員東京本店長

1994年当社入社、工事管理者として工場建設における問題と多くの事例を経験。
2013年から東京本店次長として数多くの食品工場建設のプロジェクトリーダーを務める。
2018年10月ファクタスブランドマネージャーに就任し、食品工場建設における技術の体系化を進めております。